「ボールを返すのは規則には暗黙の了解」
前提として、ボールを外にわざと出し、そのボールを相手に返すプレーは、ルール規則に乗っているいるものではなく、暗黙の了解・不文律です。
何らかの事情のためにプレーを止めるために、ボールをわざと外に出し、再開する際には元々ボールを持っていたチームに返却します。
プロの試合だけでなく、男女やカテゴリーと問わず、全てのサッカーにおいて行われており、双方のチーム、全プレーヤーが守るべきフェアプレーの一環と言えます。
ボールを出す・返す流れについて解説
ボールを出す、返す流れは、原則以下のような流れとなっています。
インプレー中の「プレーを止めるべき」事象の発生
ファウルによってプレーヤーが負傷してしまった場合は、そのファウルによって相手のフリーキックが与えられプレーが止まっているため、怪我の状況を確認することができます。
しかし足がつったなど、「インプレーの中の負傷」などの場合、フィールドプレーヤーが負傷して立ち上がれなくでも、そのプレーヤーの治療などのために試合を止めるかどうかは主審に委ねられています。
・競技者の負傷が軽い場合、ボールがアウトオブプレーになるまでプレーを続けさせる。
・競技者が重傷を負った場合、プレーを停止し、確実にその競技者を競技のフィールドから退出させる。
引用:JFA「競技規則」
主審が上記の「プレーを続けさせる」ことを選択した場合、ボールがタッチラインを割るなどによりプレーが切れるまで、試合は続行されます。
ボールを出すか出さないかも、各々の判断となります。
主審が試合を止めた場合には、ドロップボールで試合再開となりますが、この場合も元々ボールを持っていたチームにボールを返すことが基本となります。
ボールを保持するチームが、ボールを外に出す
その負傷などに気付いた場合には、たいていの場合、ボールを保持するチームがわざと外にボールを出します(たいていはタッチライン)。そうすることで、主審は試合の再開を停止し、負傷者の確認に移り、必要に応じ治療やタンカなどで外に運び出されます。
負傷者の治療時間などは、アディショナルタイムに追加されます。そのため、試合時間終盤に「負傷したふり」をしたとしても、理論上は意味はありません。
元々ボールを持っていたチームにボールを返す
プレーが再開される際に、ルール上では「元々ボールを持っていて、わざと外に出したチームと逆のチームのボールによって再開される」ことになります。
プレーを切るために外に出したのに、相手にボールをあげることと同じになってしまうのです。そのため、そのボールを元々外に出してくれたチームに返却します。
たいていの場合、相手ゴールキーパーに向かってやさしくボールを蹴り返します。その際もプレスにすぐに行ったりせずに「仕切り直して」試合が再開されます。
サッカー観戦の場合、このボールを出し、返す一連の流れが起きると拍手が送られます
ボールを返すこともルールではありません。かりに返すべきボールから得点した場合でも、ゴールは認められます。