ゲーゲンプレスとは?サッカー戦術解説
ゲーゲンプレスとは、相手にボールを奪われた瞬間に、激しくボールを奪い返しにいく守備戦術のことです。
「ゲーゲン(Gegen)とはドイツ語で「反対・対立」という意味であり、「相手のプレスに対するプレス戦術」といえます。
ボールを奪った直後の相手に積極的にプレッシャーをかけることで、ビルドアップの余裕を与えず、ボールを奪い返せばショートカウンターを仕掛ます。前線の選手を含め、チーム全体に高い運動量と戦術理解度が必要な戦術です。時にはマンツーマンで相手につき、ボールを奪い返します。
ゲーゲンプレスは「カウンタープレス」と言われることもあります。
ゲーゲンプレスが「対プレス戦術」であり、前線から積極的にプレスをかける戦術を「ハイプレス」と言います。
ゲーゲンプレスは高い戦術理解度と運動力が必要
ゲーゲンプレスは、前線から積極的にボールを奪いにいくハイプレス戦術と併用されるため、間延びを防ぐため必然的にコンパクトとなり、ハイラインとなることが多いです。言い換えると、せっかく人数をかけて前線からプレスを仕掛けても、ひとりマークを剥がされてしまえば、一瞬でピンチに陥ってしまうのです。そのためゲーゲンプレスには、
などが選手全員に求められます。
マンマークによるゲーゲンプレスは、選手同士の戦力差が上回っているチームで採用されることが多いです。
長い縦パスとゲーゲンプレスが組み合わされることも
ゲーゲンプレスを採用しつつ「長い縦パスを多用する」戦術が取られることもあります。
長距離の縦パスは当然相手DFも警戒するため、奪われたり、競り合いの結果セカンドボールとなるなど、せっかくのボールが相手に奪われることも多いです。しかしゲーゲンプレスを用いる場合は、「縦パスが奪われたらすぐにプレスをかけられる」位置に、パスの受け手以外の選手もポジショニングしています。
そのため、競り合い後のルーズボール争いに勝利しやすくなるだけでなく、相手ボールとなってもすぐに前線からプレスをかけることができます。
通る可能性が低いような縦パスを「相手のプレスに奪われること前提で」前線に供給し、同時に「相手のプレス対抗するプレス=ゲーゲンプレスをしかける」ようなチームも存在します。
このゲーゲンプレスに「逆にプレスをかけない」という対策がとられたこともあります。