オフ・ザ・ボール サッカーのプレー・テクニック

【図解】インナーラップとは?オーバーラップより対応が難しい?サッカー用語解説!

2022年7月8日

インナーラップとは?どういう意味?

内側を追い越すの動きのこと

インナーラップとは、ボールを保有している選手の内側を、他の選手が後方より追い越すオフ・ザ・ボールの動きのことです。

攻撃に厚みを増し数的有利の状態を作りやすいほか、バイタルエリアに侵入するようなインナーラップが行われれば、相手は対応に迫られます。インナーラップうまく活用することで、相手の守備を混乱させることができます。

主にサイドでボールを持つウィンガーやサイドハーフを、インサイドハーフやサイドバックが内側を追い越す動きに対して使用されます。

近年日本では「インナーラップ」という表現がよく使用されますが「アンダーラップ」が正しい表現という声もあります。

オーバーラップとインナーラップの違いについて

外側を追い越す動きのこと

インナーラップが「ボールホルダーの内側を追い越す動き」であるのに対し、ボールホルダーの外側を追い越す動きを「オーバーラップ」といいます。

いわばオーバーラップとインナーラップは対義語と考えることができます。

内側外側関わらず「追い越す動き」のことをオーバーラップと統一され使用されることもあります。

サイドでのマッチアップで対応はオーバーラップよりインナーラップのほうが難しい

背後を追い越されることになる

サイドでマッチアップをしている場合、オーバーラップをされても相手DFはそのプレーを目で追うことができます。しかし、インナーラップの場合、自身の背後を追い越されることになります。そのため、インナーラップはマークの受け渡しがしにくく、対応が難しいという特徴があります。

インナーラップ時にボールを失うとピンチに

インナーラップをした場合、攻撃に厚みが出る反面、その分守備が手薄になることになります。できてしまったスペースを利用されカウンターを受ける可能性もあるため、カバーリングやインナーラップをするタイミングを見極めることも重要です。

つるべの動きとインナーラップ

一人のプレーヤー(基本的にはサイドプレーヤー)がインナーラップなどで攻撃参加した場合、もう一人のプレーヤーはバランスを取るために上がらずに残る動き、およびその2人の関係性のことを「つるべの動き」と言います。

ハーフスペースによりインナーラップの重要性も上昇

ハーフスペースの図解
ハーフスペースの図解

近代サッカーでは、ピッチを縦に5分割したうちの真ん中と両サイドに挟まれたエリアハーフスペース」を活用するプレーや戦術が注目されています。

ハーフスペースを活用するために、SBやボランチ、CMTなどがハーフエリアをインナーラップする動きもよく見られます。

偽サイドバックとインナーラップ

偽サイドバックの図解
サイドバックが攻撃時アンカーの位置まで中央に絞りポジションを上げる

偽サイドバックとは、自分チームがボールを保有した際に、サイドバックが中央に絞りアンカーと同じような高さにポジショニングする戦術のことです。

偽サイドバックは「CMFが高い位置を取りやすい」というメリットがあるため、ボールを持つウイングに対し、偽SBやインサイドハーフがインナーラップを仕掛けることで、相手守備陣を混乱させることもできます。

SBは時代によって必要とされる能力が変化しており、インナーラップやオーバーラップの使い分けや、ゲームメイクも求められようになっています。

-オフ・ザ・ボール, サッカーのプレー・テクニック