サッカーのキックオフは、試合開始・再開の際に行われますが、実は様々なルールが設定されています。それを理解することによって、「なぜこのようにしないんだろう...」といった疑問も解決するかもしれません。今回はサッカーの「キックオフ」のルールについてわかりやすく解説していきます。
サッカーのキックオフとは?
サッカーのキックオフとは、コートの中心であるセンターマークからボールを蹴り出してプレーを開始・再開する方法で、前半と後半を開始するとき(延長戦の前後半を含む)と、ゴールが認められたあとに行われます。
また、サッカースタジアムではこの試合開始のキックオフ前にカウントダウンを行うなど、会場を盛り上げる工夫も行われています。
試合開始前に攻める方向かキックオフかを選ぶことができる
前半後半開始時のキックオフは、各チーム1回ずつを行います。
試合の開始前にコイントスを行い、コイントスに勝利したチームが「攻撃する方向」か「キックオフ」のいずれかを選ぶことができます。
そして、前半にキックオフを行わなかったチームが、コートチェンジを行ったうえで後半のキックオフを行うことになります。
2019/2020年のルール改正が行われており、以前は「コイントスに勝利したチームが攻撃する方向を決め、負けたチームがキックオフ」と決定しており、選択することはできませんでした。
ゴールを決められたチームがキックオフを行う
試合中にゴールが生まれたとき、「ゴールを決められたチームのキックオフ」によって試合が再開します。
キックオフの細かいルールについて解説
キックオフにおける詳細のルールは以下の通りです。それぞれわかりやすく解説していきます。
キックオフの際、キックオフを行う選手以外のプレイヤーは自分の陣地にいなければならない
キックオフを行うチーム、相手チーム関わらず、キックオフでボールが蹴り出されインプレーとなるまで、ハーフウェーラインよりも自陣側にいなければなりません。
キックオフを蹴る選手のみ、自陣の選手にキックオフで味方にパスを出すために、相手コートに入ることが許されています。なお、遅延行為などの目的で意図的にこのルールを違反した場合、イエローカードの対象となります。
キックオフを行わないチームの選手は開始するまでセンターサークルの中に侵入できない
ボールがインプレーとなるまで、キックオフを行わない相手チームは、キックオフの際にボールを設置するセンターマークを中心に描かれたセンターサークルの中にも入ることができません。
上記のルールと同様に、意図的にこのルールを違反した場合、イエローカードの対象となります。
ちなみに、キックオフを行うチームは、自陣側のセンターサークル内にいても問題ありません。下記で説明するルール改正があるまでは、事実上2人必要だったため、2人までと勘違いされていることもありますが、一人でも三人でも問題ありません。
ボールをセンターマークに静止させ、審判の合図によって開始される。
キックオフは他のプレースキックと同様に、ボールを完全に静止させてから開始しなければなりません。なお、開始の際に主審の合図が必要です。
キックオフを行った選手は別の選手がボールを触れるまで再度ボールに触れることはできない
他のプレースキックと同様に、キックオフを行った選手は別の選手がボールに触れるまで、再度ボールに触れることはできません。
そのため、キックオフでその選手がドリブルを行うことは禁止されています。違反した場合、相手チームに間接フリーキックが与えられます(万一手で触れた場合直接フリーキックとなります)。
ボールはどの方向に蹴り出しても構わない
キックオフの際にボールを蹴り出す方向は、相手陣地でも、自陣でもどの方向に蹴り出しても問題ありません。
以前には「前方(すなわち相手側)に蹴り出さなければならない」というルールがありましたが、改正されたことで、バックパスによる試合開始が可能となりました。
キックオフゴールは認められている
キックオフで直接ゴールが決まる「キックオフゴール」はひと昔前では認められませんでしたが、現在では改正されゴールとなります。
なお、ある程度のレベルに達するとゴールとなる可能性は低いため、あまり行われません。コートが狭く発育にも差がある少年サッカーなどで、たまにキックオフゴールが決まることはあります。フットサルでも同様に以前はキックオフゴールは禁止されていましたが、改正されました。なお、現在でも8人制サッカーではこのキックオフゴールは認められていません。