延長戦とは?サッカールール解説!
延長戦とは、サッカーにおいて前後半終了時に引き分けであった状態であった場合に、後半のあとに行われる試合時間のことです。
W杯の決勝トーナメントなど、勝敗をつけなければならない場合に延長戦が行われ、試合の勝者を決定します。延長戦を終えても勝者が決まらない場合、PK戦などにより勝者を決定します。
延長戦は必ず行われるわけではない
延長戦が実行されるかどうかは、試合や大会などにより異なります。
一般に、リーグ戦や、W杯やチャンピオンズリーグなどのグループリーグにおいては、引き分けに価値点1がつくこともあり、延長戦は行われません。
また、トーナメント形式の試合においても、「前後半で勝負がつかなかった場合、すぐにPK戦を行う」形式もあります。「決勝戦や準々決勝から延長戦が導入され、それまでは即PK戦」というように、同じ大会のトーナメントでも、延長戦の有無が異なることもあります。
その大会や試合において、延長戦が行われるのかどうかを確認しておくといいでしょう。
延長戦にもアディショナルタイムは導入される
前半後半それぞれの後に空費時間を追加する「アディショナルタイム(ロスタイム)」は、延長戦にも導入されます。
通常の前後半と同様、選手交代や負傷者の治療・搬出、カードの掲示などで空費した時間があれば、延長前半、延長後半それぞれのあとにアディショナルタイムが追加されます。
延長戦は何分?
延長戦は、45分ハーフの試合では前半15分、後半15分の計30分が一般的です。
延長戦を戦った場合、90分+30分の合計120分+アディショナルタイムが試合時間となります。
試合時間などと同様、育成世代はこの時間が短くなる傾向があります。大会などにも異なりますが、一般に下記の形式が取られることが多いです。
対象 | 延長戦の合計時間 |
---|---|
プロ・社会人 | 30分 |
高校 | 20分 |
中学 | 10分 |
小学 | 10分 |
延長戦のハーフタイムは何分?
基本的に延長戦の前半と後半の間にハーフタイムは導入されていないことが多いです。
なお、引水タイムなどはあったとしても、延長前半が終了次第、コートを入れ替え、延長後半が行われます。
退場者がいた場合で補充はできない
延長戦に突入する前の前後半で、レッドカードによる退場者がいたでも、人数は復活せず、11人に満たない状態で試合を継続します。
退場者が出てしまえば、延長戦を含むその後の試合時間全てで数的不利な状況となるのです。
延長戦の交代枠は?
近年では「試合中の交代枠は5名まで」「交代回数はハーフタイムを除き3回目で」と人数が多くなっている交代枠について、大会によっては延長戦に突入した場合、6人目の交代が認められるケースが増えています。
延長戦の3つの方式
延長戦が導入される試合では「フルタイム制」が一般的ですが、お
- フルタイム(正式名称ではない)
- ゴールデンゴール(Vゴール)
- シルバーゴール
フルタイム(正式名称ではない)
フルタイム制とは、延長戦の前後半を全て行う形式のことです。現在ではこの形が一般的となっています。
事実上の30分間の試合時間の延長であり、延長戦の中でも逆転劇なども起こります。
言い方を変えると、延長戦が連続すれば、試合時間を長く戦っていることになり、疲労などが溜まりやすくなるとも言えます。
参照:クロアチアが3試合連続の延長戦を制し、初の決勝進出…W杯決勝T勝ち上がり(外部リンク)
ゴールデンゴール制(Vゴール)
ゴールデンゴール制とは、Vゴールとも呼ばれるサッカーの延長戦の形式の1つで、延長戦の中で先にゴールを決めたほうが勝利となります。
延長戦の時間は通常通りですが、得点を先に入れたチームが勝利となるため、ゴールと同時に試合が勝者が決定、試合が終了します。時間が残っていても試合終了となるため、逆転などのチャンスはありません。延長戦の時間が終了しても得点が入らなければ、PK戦などで決着します。
かつてはJリーグのリーグ戦でもこのVゴール方式による延長戦が行われていました。
この方式は「サドンデス方式」と昔は呼ばれていました。
風向きや日差し、観客席などが影響するサッカーにおいて、前半だけで終了するとは不公平として現在では行われていません。
「ジョホールバルの歓喜」も、このゴールデンゴールによるものです。
シルバーゴール
シルバーゴール方式とは、「延長前半終了時にリードしていたチームがあれば、そのチームが勝利する」延長戦の方式のことです。
ゴールデンゴール方式は、点が入った瞬間に終了するため、例えば延長前半5分で得点が入れば、試合が終了します。しかしシルバーゴール方式の場合、得点が入っても延長前半は継続します。そして、そのまま延長前半が終了しても得点差が離れていれば延長後半に入ることなく得点したチームの勝利、もし同点となっていれば、延長後半が行われる方式です。
風向きや日差し、観客席などが影響するサッカーにおいて、前半だけで終了するとは不公平として現在では行われていません。