サッカーの「勝ち点」とは?
試合結果 | 獲得する勝ち点 |
---|---|
勝利 | 3 |
引き分け | 1 |
敗北 | 0 |
勝ち点(かちてん)とは、サッカーのリーグ戦やグループリーグなど総当たり方式で用いられる、順位付けのためのポイント制度のことです。
総当たり戦となる場合には、全試合日程終了時にこの勝ち点の獲得が多い順に順位が決定します。一般に、試合に勝利した場合には勝ち点3、引き分けた場合は勝ち点1が与えられ、敗北した場合には勝ち点0となり獲得することはできません。
サッカーの勝ち点は、ラグビーやバレーボールなど他のスポーツのように試合内容などで追加で勝ち点が与えられることはなく、どれだけ大きな差が開いても、壮絶な点数の取り合いとなろおうと、劇的な得点があっても「勝利=3」「引き分け=1」「敗北=0」のシンプルなものになっています。
試合に勝利することを「勝ち点3」、引き分けを「勝ち点1」、敗北することを「勝ち点0」と表現することもあります。
獲得する勝ち点は、大会規定などによっては必ずしもこの通りになるわけではありません。例えば延長戦によるゴールデンゴール方式がとられたり、試合終了後にPK戦を行い勝利チームの勝ち点を2にするケースなどもあります。
勝ち点の差を「勝ち点差2」というように表現されることもあります。
勝ち点が同じ場合は?
サッカーのリーグ戦においては、「2つ以上のチームが同じ勝ち点となる」ことがあります。その場合、勝ち点が同じ場合には「得失点差」が優れているチームが上位となることが一般的です。
得失点差も同じ場合には「総得点」で、総得点も同じ場合には該当するチームの直接対決、それも引き分けの場合フェアプレーポイントで、順位を決定するのが、W杯のグループリーグなどで採用されています。
勝ち点が並んだチーム同士の勝ち点(直接対決)や得失点差を優先する場合もあります。
順位の最優先は勝ち点
上記のように得失点差や直接対決が順位に影響するのは「勝ち点が同じ場合」に限ります。すなわち、どれだけ得失点差や総得点が圧倒しているチームがあったとしても、勝ち点によって順位がまず決定されます。
そのため、大量得点そのものは勝ち点に影響しませんが、順位付けをする際に有利となります。
なぜサッカーの勝利の勝ち点が3なの?昔は勝ち点2だった?
サッカーの勝利時の勝ち点が3である理由として「試合に勝利することのメリットを強化するため」が挙げられます。
サッカーは他のスポーツと比較した際に、
- 引き分けが存在する・引き分け多い
- 得点が少ない・1点の影響が大きい
という特徴があります。
過去には、サッカーの勝ち点は「勝利=2、引き分け=1」が一般的でしたが、「勝つことのメリットを大きくするため」勝利時の勝ち点が3になったと言われています。
例えば、あと1試合の最終節を残し、下位2チームが降格するリーグがあり、下から5チームの暫定結果が以下のような状態であったとします。
チーム(残留争い) | 勝ち点 |
---|---|
A | 20 |
B | 19 |
C | 19 |
D | 17 |
E | 16 |
勝利の勝ち点が2、引き分けが1の場合
チーム(残留争い) | 勝ち点 | 最終節の結果 |
---|---|---|
A | 20 | 結果にかかわらず残留 |
B | 19 | 引き分け以上で残留 |
C | 19 | 引き分け以上で残留 |
D | 17 | 勝利してB、Cが敗れれば場合、得失点 |
E | 16 | 結果にかかわらず降格 |
下位2チームでありD、Eが勝利しても勝ち点は19となるため、Aは最終節の結果にかかわらず残留が確定しています。Eは勝利しても下位2チームであることは確定しているため、降格が決定しています。さらにBとCは、引き分け以上の結果で残留が確定する結果となります。
勝ち点が3であった場合
チーム(残留争い) | 勝ち点 | 最終節の結果 |
---|---|---|
A | 20 | 引き分け以上で残留 (敗北し他の結果や得失点差次第では降格) |
B | 19 | 勝利すれば残留 (引き分け以下では他の結果や得失点差次第では降格) |
C | 19 | 勝利すれば残留 (引き分け以下では他の結果や得失点差次第では降格) |
D | 17 | 勝利してB、C、Eの結果次第では残留 |
E | 16 | 勝利してB、C、Eの結果次第では残留 |
一方勝ち点が3であれば、ここにいる全チームが残留・降格の可能性があることになります。
BとCが引き分けても、Dが勝利すれば勝ち点が逆転し、どちらかのチームが自動的に降格圏に落ちてしまいます。Aも敗北してB、C、D全チームが勝利すれば、AはDと勝ち点が並ぶため、得失点差次第では降格します。同様に得失点差にもよるものの、Eにも残留のの可能性が残されているのです。
サッカーは実力差があろうと、ゴール前にバスを置くチームを崩すのは容易ではありません。引き分けを狙う・引き分けでもいいとリスクをかけて攻撃しないチームが増えれば、スコアレスドローとなる試合が増えることになるのでしょう。興行としてのサッカーはつまらないものになりかねません。
総当たりのリーグ戦などでは、優勝争いはもちろん、残留・降格争い、グループステージの突破など、勝ち点1の差がが大きく結果を左右します。
こういったこともあり、1980年台から、試合に勝利するメリットをたかめるため、勝ち点3が導入され始め、現代では勝利時には勝ち点3が一般的となっています。
逆をいうと引き分けのメリットが少なくなっています。敗北数は少ないものの勝利も少なく、引き分けが重なったことで勝ち点を稼ぐことができず、降格したチームも存在します。