プロフェッショナルファウルとは?サッカー用語解説!
プロフェッショナルファウルとは、ピンチの局面で、わざとファウルを犯すことで、一度流れを切るプレーのことです。
もちろん、基本的にファウルは犯すべきではありません。しかしカウンターを受けた場面など「ファウルをしてでも止めたほうがいい状況」は存在します。ファウルを犯せば相手にフリーキックを与えますが、プレーが一度切れるため、味方が守備に戻ることができるなど「少なくともそのままでは失点しない」からです。
基本的にプロフェッショナルファウルは、危険なファウルではなく、通常ノーカードとなるような軽微な反則で行われます。しかし「相手のチャンスをわざとファウルで止める」行為は、当然ながら本来行われるべきものではありません。主審は、「SPA(大きなチャンスとなる攻撃の妨害)」判断する場合、その選手にイエローカードが掲示されます。
決定機でのプロフェッショナルファウルは退場となることも
DOGSO(ドグソ)とは、"Denying an Ovious Goal-Scoring Opportunity"の略で、サッカーにおける「決定的な得点機会の阻止」のことです。
相手の決定機を、DOGSOの条件を満たすファウルによって止めた場合、反則をした選手に原則レッドカードが提示されます。DOGSOにおいてはファウルの悪質さは加味されません。「得点をファウルで止める」という行為は、スポーツとして禁止すべき行為なのです。
1980年ごろ、相手のチャンスで故意にファウルをすることで、一旦プレーの流れを切るような「プロフェッショナルファウル」が目立つようになっていました。これにより、1990年イタリアW杯より、決定的なチャンスを阻止したファウルに対する罰則規定が設けられ、「ファウルによって失点を防ぐ」ことの罰則が非常に重くなりました。
しかし、試合終了直近などで「退場となってもファウルで止めリードを守る」プレーが見られることもあります。
「相手の決定機をファウルで止める」という行為には、退場や三重罰といった重い罰則が設けられています。
プロフェッショナルファウルではカードを貰わない・最低でもイエローで止めることが重要
プロフェッショナルファウルを行う場合、理想は「カードを貰わない」ことです。しかし「ファウルでも止めなければならない」と判断されるような時は、「相手の大きなチャンス」と判断される場合がほとんどのため、イエローカードは覚悟する必要があります。イエローカードを躊躇し、「ファウルでも止めるか・流すか」迷ったまま、相手が決定機を迎えた際にファウルで止めた場合には、DOGSO適用で退場となってしまいます。
プロフェッショナルファウルを行う場合、レッドカードとならないため、ハーフウェーラインより相手陣地側といった高い位置や、相手のカウンターが始まったばかりなど、DOGSOの条件を満たさないような状況下で行うことで、最悪でもイエローカードとすることが必要となります。
イエローカード(警告)を規定の回数受けることで「累積警告」による出場停止処分が下されます。
アドバンテージとなるプロフェッショナルファウルは微妙
仮にプロフェッショナルファウルをしたとしても、攻撃が継続していると判断された場合、アドバンテージが適用されることがあります。
仮にプロフェッショナルファウルを犯す場合には、アドバンテージが適用されないようにマイボールとしたり、ボールを外にだすなど相手の攻撃を継続させないことが必要となります。
ファウルをもらったフリをする「シミュレーション」もイエローカード
シミュレーションとは、ファウルを受けたフリをして、主審を騙そうとする行為のことです。
プロフェッショナルファウルが「わざとファウルを犯す」のに対し、シミュレーションは「ファウルを受けたフリをする」ことです。シミュレーションと判断された場合、即刻イエローカードの対象となります。ひらたく言えば、「相手のファウルのでっちあげ」であり、実際には発生していないPKの獲得や、時間稼ぎなどを目的に行われる反スポーツ行為で、TVなどでスロー映像などを繰り返し報道されることから、大きな批判の対象となります。
なお、近年ではVARやOFR(オンフィールドレビュー)の導入により、シミュレーションは減少傾向にあります。
プロフェッショナルファウルの事例は多くの議論を呼ぶ
そもそもファウルは「危険な行為やスポーツマンシップに欠ける行為を防ぐため」にあるものであり、「失点のピンチをファウルで防ぐ」というプロフェッショナルファウルという行為は、モラル上正しいと言えるものではありません。
しかし「プロフェッショナルファウルの結果、チームを勝利に導いた」という事例も多くあるもの事実です。
W杯などの注目度の高い場面・試合で退場となるようなプロフェッショナルファウルが発生した場合、その都度大きな議論となります。
参照:footballista「ルイス・スアレス。自らを犠牲にしてゴールを守った国民的英雄」(外部リンク)
当ページはプロフェッショナルファウルを推奨するものではありません