SPA(スパ)とは?
SPA(スパ)とは、"Stopping a Promising Attack"の略で、サッカーにおける「大きなチャンスとなる攻撃の妨害」のことです。
相手の大きなチャンスの局面を、ファウルによって止めた場合、反則をした選手に原則イエローカードが提示されます。
同じファウルでも、「守備ブロックが十分に揃っているときに発生したもの」と「ゴールへとつながりそうな大きなチャンスで発生したもの」を比べると、明らかにその試合に関わる重みが違います。
通常のファウルに比べて、「チャンスを止めるファウルに対する罰則が重い」ことで、「相手のチャンスの流れをファウルで潰してしまおう」というプレーがしにくくなっているのです。
DOGSOの4要件を全て満たさないようなファウルでSPA(スパ)が適用される
DOGSO(ドグソ)とは、"Denying an Ovious Goal-Scoring Opportunity"の略で、サッカーにおける「決定的な得点機会の阻止」のことです。
相手の決定機を、DOGSOの4条件を満たすファウルによって止めた場合、反則をした選手に原則レッドカードが提示されます。
SPA(スパ)は、相手の大きなチャンスをファウルで止めたものの、DOGSO適用の4要件を全て満たしているとは言い難い場合に適用されることが多いです。
DOGSO(ドグソ)の4要件
JFAでは、DOGSOの要件として、次の4つ状況を考慮に入れるとしています。
- 反則とゴールとの距離
- 全体的なプレーの方向
- ボールをキープできる、またはコントロールできる可能性
- 守備側競技者の位置と数
すなわち、
- ゴールとの距離がある程度近い
- ゴールに向けてプレーしている
- そのファウルがなければ攻撃側がボールをコントロールできている
- 数的不利やブロック形成ができていないといった守備側が不利な条件
といった点を考慮し、全てを満たしている場合はDOGSO適用でレッドカード、全てを満たしているとは言えない場合はSPA適用でイエローカードと考えることができます。
SPA(スパ)のファウルに対してアドバンテージを適用した場合イエローカードは出ない
SPAが適用された場合、原則イエローカードが提示されます。しかし、
SPA(スパ)の要件を満たすものの、そのファウルにアドバンテージが適用された場合罰則が軽減され、ノーカードとなります。
大きなチャンスを阻止するファウルでも、アドバンテージが取られた場合、「結果的にそのチャンスの阻止はできてない」ため、少し罰則の具合が下がる場合があると頭の片隅に入れておくといいでしょう。
VARにより、SPAやDOGSOが議論となる機会が増加
近年では、VARが導入され、OFR(オンフィールドレビュー)によって、主審が該当するシーンをビデオモニターにてチェックし、自身の判定を確認することも増えました。DOGSOは、VARの対象の1つである「退場かどうか」です。「決定的な機会の阻止」という概念が主観的な判断が必要なため、多くが映像確認が行われます。
そのため、該当するシーンを選手・観客が見ることができるようになり、「DOGSOやSPAかだったかどうか」という議論も増え、結果的にDOGSOやSPAという言葉が注目を集めることとなっています。