偽10番とは?
偽10番(にせ10ばん)とは、フォーメーションはトップ下ですが、サイドにポジションニングするなど前線を自由に動き回り攻撃の起点となる選手・戦術のことです。
伝統的に10番をつけることが多い「トップ下」は、前線の中央にポジショニングしてボールを受け、FWやWGにスルーパスを通すなど攻撃全体をコントロールするのが主流でした。しかし偽10番のプレーヤーは、相手ディフェンスラインの裏を狙ったり、味方選手と積極的なポジションチェンジなど、トップ下にいながらも前線を自由に動き回ることで、チャンスメイクします。
偽10番のメリット
偽10番の選手は「相手DFにマークについていくかどうか」を迷わせたり、サイドで数的有利を作ることで攻撃の起点を作ります。上記のようにサイドのスペースにトップ下が流れた場合、相手DFは、
- もともとマークだった選手がそのままマークし続ける
- マークの受け渡しを行い他の選手がケアする
という2択を強制的に迫ることができます。①のもともとマークしている選手が継続した場合では、そのスペースが空くほか、マークを受け渡しても混乱が生じる可能性があります。もしひとりでもマークがずれれば、すぐに数的有利な状況を作り出すことができます。
強制的に相手に選択を迫る動きができるのも、偽10番の1つのメリットです。
サッカーの偽〇〇
現代サッカーには偽10番だけでなく、様々な「偽〇〇」が存在します。
偽サイドバック
偽サイドバックとは、自分チームがボールを保有した際に、サイドバックが中央に絞りアンカーと同じような高さにポジショニングする戦術のことです。
偽9番(ゼロトップ)
ゼロトップとは、偽9番、ファルソ・ヌエべとも言われ、本来は最前線でプレーするセンターフォワードのポジションの選手が中盤まで降りてくる戦術・システムのことです。
本来センターバックが対峙するストライカーである選手が中盤に落ちることで、中盤で数的有利を作ったり、相手DFを混乱させることができます。