ビルドアップとは?サッカーではどういう意味?
ビルドアップ(build up)とは、日本語で”建設”や”組み立て”を意味し、サッカーにおける攻撃の組み立てのことです。
基本的にビルドアップという言葉が使用される場合、保持しているボールをディフェンシブサードなどから、中盤、前線へとパスワークやドリブルを駆使して相手ゴールへ迫る攻撃の組み立て、及びそのプロセスのことを示してします。敵ゴールから距離がある局面からの攻撃の組み立てに対して使用されるため、相手ゴールとの距離が短い場所からの攻撃に、ビルドアップという言葉は使用されません。
各国ではビルドアップを定義化されていることも
ビルドアップは「攻守の組み立て」を意味しますが、「では具体的にどのようなプレーを示すのか」という定義は曖昧になってしまっています。
こういったことが発生しないように、欧州などでは細かい言葉の意味をサッカー協会がしっかりと定めることがあります。また、同じ言葉を示していたも、各国によって意味に違いが出ることもあります。
- ゴールキックから始まりシュートチャンスを作り出すまで(オランダ)
- ディフェンシブサードから次のゾーンに進むまでの行程
ビルドアップの重要性があがり、CBやFKにも足元の技術が求められるように
近代サッカーでは、プレッシングの技術や理論も高まり、単純なパス回しでは簡単に「はめられて」しまいます。
相手のプレスやマークを剥がしたり、攻撃を組み立てるため、センターバックを含めたディフェンダーや、ゴールキーパーにも足元の技術が求められるようになっています。
敵陣深くまで積極的にプレスをかける「ハイプレス戦術」を採用するチームも多い中、GKがフィールドプレーヤークラスの正確な技術を持っていることは、チームのビルドアップを大きく安定させます。
逆にGKやCBがボールロストしてしまえば、致命的なピンチに陥ってしまいます。
ビルドアップに必要な能力
ビルドアップを成功させるためには、
などが重要になります。
逆に、ディフェンス時には、相手チームのビルドアップを研究し、プレスのかけどころや、カバーシャドウなどによる追い込む箇所などを決めておくことが多いです。
相手ビルドアップをうまく妨害することで、相手が苦し紛れのロングボールを蹴るしかない状態に追い込むなど、相手の攻撃を機能させないことで、試合を有利に進めることができます。
ビルドアップ時に可変システムを採用する場合も多い
試合状況に合わせ陣形を変更する「可変システム」を、ビルドアップ時にシステムを変更するケースも多いです。
代表的なものとして、
- ビルドアップ時にボランチが下がり、4バックの両サイドバックがあがり3バックとなる
- 偽サイドバック(偽SB)
- ゼロトップ(偽9番)
などがケースなどが挙げられます
ビルドアップとカウンターの関係性
カウンターには大きくわけて、リトリートして相手の攻撃を受ける「ロングカウンター」と、前線から積極的にプレッシャーをかけてボールを奪い、素早く攻撃を仕掛ける「ショートカウンター」があります。
ロングカウンターが「相手のビルドアップを含めた攻撃を受ける」のに対し、ショートカウンターは「相手のビルドアップの出鼻をくじく」戦術と考えることができます。
キック・アンド・ラッシュではビルドアップを省略
キック・アンド・ラッシュ(kick and rush)とは、ロングボールを蹴ってボールを前に放り込み、前線の選手がそのボールを追いかけ攻撃するサッカーの戦術のことです。
「蹴って(kick)、走る(rush)」という言葉通り、DFは相手からボールを奪えば、すぐに前線の選手目掛けロングボールを行うため、中盤での細かいパス回しやビルドアップはほとんど省略します。