サッカー戦術解説 ディフェンス

「ハイライン」戦術とは?メリット・デメリットは?わかりやすいサッカー用語解説

2022年5月1日

ハイラインとは?

通常よりも高い位置に最終ラインを敷く

ハイラインとは、ディフェンスラインを通常よりも高く保つ戦術のことです。

オフサイドラインでもある最終ラインを通常よりも前に保ち、基本的に積極的にプレッシャーをかけます。「どこからがハイライン」という具体的な定義はありませんが、ハーフウェーライン付近まで押し上げられている場合など、通常よりもディフェンスラインが高く設定されている場合に「ハイライン」という言葉が使用されます。

ディフェンスラインが前線になることで中盤がよりコンパクトになり、相手が自由に使えるスペースも少なくなります。そのため、ハイラインが敷かれる多くの場合、ハイプレス戦術が併用されます。

ハイラインのメリット・デメリット

それでは、ハイラインのメリットやデメリットをご紹介していきます。

ハイプレスやショートカウンターと相性がいい

ハイラインに保つことにより、中盤をコンパクトに保つことができ、前線からのチェイシングやプレッシャーによって相手を追い込みやすくなります。逆に前線からプレスに行ってもディフェンスラインが低いままであれば、簡単に相手にマークを剥がされ一気にピンチになってしまいます。

ある意味「前線から積極的にプレスをするためには、ハイラインを敷くしかない」とも言い換えることができます。

また、ハイラインにより中盤でボールを奪えれば、近くに味方プレーヤーがいることも多く、速攻を仕掛けることも可能になります。そのため、ハイプレスやショートカウンターを狙う戦術においては、ハイラインが設定されていることが多いです。

間延びしにくい:ハイラインのメリット

間延びとは、前線・中盤・最終ラインの間の距離が意図せず大きくなってしまうことです。

ハイラインを敷くことで、自然のFW・MF・DFと選手ごとの距離感が近くなりやすいため、間延びしにくいというメリットもあります。

ディフェンスの裏に大きなスペースが開く

ハイプレスを敷くとDFの裏に広大なスペースができる

ハイラインを行うということは、DFとGKの間に大きなスペースが生まれることになります。

相手にロングカウンターを受けたり、1本のロングボールやスルーパスで裏を取られ、簡単に失点してしまうこともあるのです。

なおこうしたハイラインにおける裏のスペースをカバーするため、スピードのあるCBを起用したり、足元の技術にも優れ、ペナルティエリア外をカバーリングするGKも活躍しています。

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