サッカー戦術解説

ショートコーナーとは?メリットや使用される状況などをわかりやすく解説!

2021年11月5日

サッカーのコーナーキックで「ショートコーナー」の場面を見ることがありませんか?直接ゴール前にフリーで蹴り込めることができるのに、なぜわざわざ近くの味方にパスを出して始めるんだろうという声は意外といいです。今回は、ショートコーナーのメリットや使うべき状況などについて、わかりやすく解説していきます。

ショートコーナーとは

ショートコーナーの図解

ショートコーナーとは、コーナーキックにおいてボールをゴール前に入れるのではなく、近くにいる味方選手にショートパスを出すことです。

多くの場合相手の虚をつくように行われ、結果として相手のマークが外れやすくなることもあります。

ショートコーナーを使用することが多い場合・チーム

ショートコーナーが使用されることが多い場合や状況として、ショートコーナーのメリット(下記参照)から下記のようなものが挙げられます。

ショートコーナーを行った以降はオフサイドとなる

なお、コーナーキックはオフサイドとはなりませんが、近くの選手にパスを出しショートコーナーをした時点でインプレーとなり、その後はオフサイドが適用されます。そのため、ショートコーナーを蹴った選手は、そのままだとオフサイドポジションとなっている可能性があります。

ショートコーナーを利用するメリット

それでは、ショートコーナーを利用するメリットについてご紹介していきます。なお、全てのケースにおいて当てはまる訳ではありません。「そういうものある」という形で押さえておきましょう。

マークが外れたり守備陣形が崩れる可能性がある

コーナーキックのディフェンスでは、基本的にはマンツーマンとゾーンディフェンスが使用され、キッカーが蹴るタイミングに合わせて守備をすることになります。しかし、ショートコーナーの場合、その陣形を崩して対応しなければなりません。さらにボールウォッチャーとなってしまい、マークが外れてしまう可能性もあります。仮にクロスをあげるにしても、ショートコーナーを蹴った選手と受けた選手双方がありえるため、対応しなければならないシナリオが多いのです。そのため、明らかにヘディングでの競り合いが不利なチームがショートコーナーを多く使用することがあります。

ゴールまでの角度ができる

ショートコーナーを受けることで、ゴールまでの角度ができることになります。これにより、クロスボールの選択肢も増えるほか、ミドルシュートにも警戒しなければなりません。プレッシャーをかける必要もあり、結果として守備陣形は崩れやすいのです。

時間稼ぎにもショートコーナーは使われる

ショートコーナーではないが、この位置でのキープは非常にやっかい

試合終盤の時間稼ぎにおいても、ショートコーナーが使われることがあります。コーナーキックは相手ゴール前にキッカーがフリーでボールを入れることができるため、大きなチャンスとなる場面の1つです。しかしそれでも、2021年のJリーグでコーナーキックから得点となる確率は4.4%と、必ずしも高くはありません。
参照:Jリーグ「コーナーキックはチャンス?2021年J1リーグのコーナーキックデータを振り返る」(外部リンク)

加えて、その後相手ボールになってしまえばカウンターを受ける可能性もあります。そこでその可能性があるのであれば、ショートコーナーで時間を稼ごうという作戦が使われることがあります。

コーナーフラッグ付近でボールをキープすれば、奪われたとしてもすぐにカウンターは受けづらいです。加えて、再度コーナーキックやスローインとなり時間稼ぎを継続できる可能性もあります。ディフェンダーからすれば、早くボールを奪いたいけれど、ゴール前の守備陣形もしっかりとしなければならないほか、うまく奪わなければ再度相手ボールとなり時間を使われてしまいます。

さらにショートコーナーで時間を使うと分かっていても、ディフェンス側はインプレーとなるまでは9.15m以上離れなければなりません。負けているチームの選手やサポーターからすると非常に腹立たしいかもしれませんが、インプレー中であるため遅延行為に該当しない認められたルールです。

遅延行為についてはこちら

ショートコーナーは状況に合わせて使用される

ここまでショートコーナーのメリットなどについてみてきました。しかし、コーナーキックは止まっているボールを蹴るということは、キッカーのボールの制度も高まりやすいほか、タイミングを合わせやすいのは攻撃側も同様です。ショートコーナーでは動いているボールをクロスしたりすることとなるほか、相手もすぐにプレッシャーもくることとなり、ミスも発生しやすくなります。毎回似たようなショートコーナーを行ってもすぐに対応をされるでしょう。様々な視点からサッカーを見てみると、よりサッカー感染が楽しくなります^^

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