3バック(スリーバック)とは?
3バック(スリーバック)とは、ディフェンスに5名のプレーヤーを配置するサッカーシステム・フォーメーションのことです。
3バックは、一般にCBを3人配置する守備陣形であり、代表底なフォーメーションとして、「3-5-2」「3-4-3」「3-4-2-1」「3-6-1」などがあります。
なお、DFを4名配置することを「4バック(フォーバック)」、5名配置することを「5バック(ファイブバック)」と言います。
3バックといっても、多くの時間は5バックとなるような守備的なものから、攻撃的な超攻撃的3バックまで、チームにより様々なものがあります。
ビルドアップ時に3バックを採用する可変システムが取られることも
近代サッカーでは、ボールを保持しているときと、相手にボールを保持されている時でフォーメーションを変更することも多いです。
代表的なものとして、守備時は4バックなものの、ビルドアップ時にはSBがポジションをアンカーと同じくらいの高さまであがる「偽サイドバック」となり、CBが少しサイドにポジションを広げ、その間にボランチが中央のCBに入るような可変システムもよく見られます。
3バック(スリーバック)は和製英語
3バック、4バック、5バックという表現は、和製英語であり原則英語圏では使用されません。4バックという言葉を表現する場合、以下のようなものが挙げられます。
- three at-the-back system
- three-man defence
- 3 at the back
- 3-man backline system
3バック(スリーバック)のメリット
それでは、3バックのメリットについてみていきましょう。
中央の守備が固い
3バックは上記のように、中央にもCBが3名がいるため、相手の中央突破に強いといいメリットがあります。中央のバイタルエリアにCBの1人がストッパーのようにプレスをかけても、ほかのCBがスイーパーのようにカバーリングをすることができます。
数的有利にもなりやすく、セカンドボールを回収しやすいというメリットもあります。
守備時には原則5バックにする守備的な戦術も存在します。
攻撃的な戦術もとることができる
3バックは、一般的なフォーメーションの中では、少人数でゴールを守るフォーメーションです。そのため、裏をかえすと、攻撃にかけることができる人数を増やすことができるといえます。
中央に3枚DFが残っているなど人数がいるため、ウィングバック(WB)やIHが積極的に攻撃参加できることもメリットです。
ラインコントロールがしやすい
3バックは最終ラインの人数が3人と少ないため、連携がとりやすく、ラインコントロールも容易です。そのため、オフサイドトラップなどもかけやすいというメリットがあります。
3名のDFが並行(=フラット)に並び、最終ラインを自由に上げ下げすることで相手の攻撃を制限する守備戦術のことを「フラットスリー」と呼ばれ、元日本代表監督のトルシエ氏の代表的戦術でした。
3バック(スリーバック)のデメリット・弱点・攻略法について解説
それでは逆に、ファイブバックのデメリット、攻撃側がせめるべきポイントについて見てきましょう。
サイド攻撃に弱い
3バックは原則中央に人数が集まっているため、相手のサイド攻撃に弱いという欠点があります。
仮にサイドにCBがつられてしまえば、最も重要な中央で数的不利に陥ったり、相手にスペースを与えてしまうことになります。これを防ぐため、3バックのWBには、攻守ともに貢献でき、運動量が豊富なタイプの選手が配置されることが多いです。しかし、特にカウンターを受けた際などに、サイド攻撃に弱いという欠点はぬぐいきれません。相手が3バックの場合、サイド攻撃を行うのが攻略の基本となります。
相手がボールを保持しているときに、WBや2シャドーなどがポジションを下げ、5バックを組む可変システムを組まれることもあります。
1984年「ダニッシュ・ダイナマイト」の異名をもったデンマーク代表は、この左右WBがウィンガータイプという超攻撃的戦術を用いて世界に衝撃を与えました。
相手のシステムごとに対策が必要になる
例えば、相手が4バックを採用しており、ボールをもつ相手SBにWBがアプローチしてしまえば、その背後のサイドのスペースを狙われる可能性があります。しかし、SBにFWがチェイシングするにも数的不利になりやすく、プレスそのものが無効化されてしまう可能性が高いです。
相手が3トップ(スリートップ)であった場合、最終ラインが常に数的同数となってしまう可能性もあるほか、WBの背後を狙い続けられることもあります。もし、相手が1トップ(ワントップ)であれば、1枚に対して守備が3枚と、極端に守備の枚数が多いことになってしまします。
3バックは、相手の戦術に合わせ対応する重要度が高いと言えます。