遅延行為とは?どういう意味?
遅延行為(ちえんこうい)とは、サッカーの試合時間を消費するために、意図的にプレーの再開を遅らせる時間稼ぎのことです。
反スポーツ的行為に該当し、遅延行為を行った選手にはイエローカード(警告)が提示されます。
サッカーは、ハーフタイムを除き試合中に時計が止まることはありません。そのため、試合の公平さを保つため、負傷者の治療などによる「空費した時間」は、前後半終了後にアディショナルタイムとして前後半終了後に追加されます。しかし、
などは、原則アディショナルタイムに追加されません。このルールを逆手に取り、リードしているチームなどが、試合を終わらせるために、意図的にプレーの再開を遅らせることは、「反スポーツ行為」に該当し、警告の対象となります。
アディショナルタイムと遅延行為の関係
選手交代や負傷者の治療・搬出に使用した時間は、アディショナルタイムに追加されます。
そのため、理論上サッカーで「負傷したフリ」をしたとしても意味はありません。加えて、故意にプレーの再開を送らせて「遅延行為」と判断された時間は、原則アディショナルタイムに追加することとなっています。
「アディショナルタイム中の空費時間」は、アディショナルタイムの後に追加されることになっています。
直前に提示された時間よりも長くアディショナルタイムが取られることはあります。つまり、
時間稼ぎ目的の交代といった遅延行為は、ルール上は意味がないのです。
しかし、負けているチームからすれば、ただでさえ時間が惜しい中、こういった遅延行為に焦りや苛立ちを感じてしまうのも事実です。
試合中にファイルを受けて転倒した際に、時間稼ぎなどのためになかなか起き上がらない行為を「ベッドサッカー」と韓国メディアなどで使用されています。
遅延行為の例
以下のような行為が「遅延行為」に該当、イエローカードの対象となります。
- 交代する選手が意図的にピッチから出ることを遅らせる
- 主審がプレーを停止した際に、ボールを遠くに蹴ったり手で持ち去る
- FKをやり直しさせるために、わざと間違った場所からFKを行う
- スローインを行おうとしたが、急に他の選手にスローインを任せる
- スローインをなかなか投げない、ゴールキックをなかなか蹴らないなど、極端に再開を遅らせる
GKの6秒ルール
ゴールキーパーがペナルティエリア内で手でボールを持っている状態の場合、相手選手はボールを奪いに行くことができません。しかしその代わりに、手でボールをキープしている状態は6秒以上続けることができません。
実際にこの6秒ルールの反則が取られるケースはあまり多くありませんが、試合終盤に時間稼ぎをしている場合などは、この6秒ルールは適用されやすくなっています。
反スポーツ的行為とならない時間稼ぎの例
原則遅延行為は「プレーの再開を遅らせる」行為が該当します。そのため、
- 相手陣地コーナーフラッグ付近でのボールキープ
- 攻めずにディフェンスラインでボール回しを続ける
といったインプレー中の時間稼ぎは、批判や議論の対象とはなるものの、反スポーツ的行為には該当せずルール上認められています。
参照:読売新聞「終盤の日本ボール回し、BBC「W杯を汚した」(外部リンク)
当ページは遅延行為を推奨するものではありません。