サッカー戦術解説

「ショートカウンター」とは?メリット・デメリットは?よくわかるサッカー戦術解説!

2022年5月12日

ショートカウンターとは?

ショートカウンターを狙う場合、積極的に前線からプレスをかけることが多い

ショートカウンターとは、ディフェンスラインを高めに敷き、前線から積極的にプレッシャーをかけてボールを奪い、素早く攻撃を仕掛けるカウンター戦術のことです。

「カウンター」と聞くと自陣を固めて攻撃に耐え、少ないチャンスをモノにするような守備的な印象があるものの、ショートカウンターの場合、相手にビルドアップをする余裕を与えずプレッシャーをかけ、ボールを奪えば奪った勢いのままショートパスや個人技を駆使して積極的にゴールを狙います。ボールを奪う位置が相手ゴールに近い箇所になりやすい上に、相手ディフェンスが整っていない状態で攻撃をしかけるため、ショートカウンターが決まれば得点が決まりやすいです。リトリートして相手の攻撃を受けるのではなく、相手の攻撃の出鼻をくじく、攻撃的戦術となります。

しかし、ディフェンスラインを高くして積極的に前線からカバーシャドウチェイシングをかけるため、チーム全体が前のめりになりやすく裏に大きなスペースが開くことになります。そのため、守備連携のミスで大きなピンチにつながったり、カウンターを返される可能性もあるため、個人・チームともに高い練度・能力・ハードワークが求められます。

多くの場合ハイプレスと併用

ショートカウンターを狙う戦術場合、ボールロストをした場合、相手がボールを持っている時、前線から積極的にプレッシャーをかけてボールを奪いに行く守備戦術「ハイプレス」と併用されます。相手にボールを奪われれば、相手陣営で積極的にプレスをかけるため、ボールポゼッションが高くなるというメリットがあります。

しかし、上記のように全体の連携・ハードワークが必須であるほか、カウンターを返されるリスクもあります。

対義語はロングカウンター

ロングカウンターとは、ディフェンスラインを下げて守備ブロックを敷き、ボール奪取とともにロングボールなどにより素早く攻撃を仕掛けるカウンター戦術のことです。

ショートカウンターの場合はミドルサードなどの事前にきめた「狙いどころ」やGKを含め積極的にプレスをかけるのに対し、ロングカウンターは基本的にボールを奪われればまず自陣に戻る「リトリート」を行い守備ブロックを固めることが多いため、ボールを奪う位置がディフェンシブサードになりやすくなります。

ゲーゲンプレス・カウンタープレスとショートカウンターは併用されることが多い

ボールを奪われた瞬間にボール付近の数名がアグレッシブにプレスをかける戦術のことを「ゲーゲンプレス」または「カウンタープレス」と言います。

ショートカウンターを行うチームは、「5秒ルール」のように、ネガティブトランジション時には激しくボールを奪い返しにいくディシプリン(約束事)が設定されていることが一般的です。

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