サッカー戦術解説

ティキ・タカとはどういう意味?特徴は?サッカー戦術解説

2022年9月18日

ティキ・タカとは?

ティキ・タカ(Tiki-Taka)とは、各選手のオフ・ザ・ボールの動きだしにより複数のパスコースを確保し、ショートパスを多用して相手ゴールへ迫る戦術のことです。

ダイレクトや少ないタッチでテンポよくショートパスを回し、ポジションチェンジを含む周りのサポートにより、ボールホルダーに複数の選択肢を作り出し、ボールポゼッションを高めながらチーム全体で攻撃します。

2010年付近のスペイン代表やバルセロナが得意とするとされた戦術であり、選手全員に高いボールコントロール能力やパス制度、オフ・ザ・ボールの動きや連携など高いスキルが求められる戦術です。

ティキ・タカは、グアルディオラ監督から始まったと言われていますが、グアルディオラ監督はインタビューで「「私はパスワークを目的とするすべてのプレーを嫌う。ティキ・タカのことだ。そんなものはゴミで、何の意味もない。相手ゴールに迫ることを目的として、明確なパスを出さなければならない。パスワークのためにパスを繋ぐのではない」「バルサはティキ・タカなんてやっていない! それは完全に(メディアに)作られた言葉だ! その言葉を信じてはいけない」と、表明しています。

ティキタカは何語?

スペイン語で時計の針が進む「チクタク(ティキタカ:tiquitaca)」から由来すると言われています。時計の針の進む擬声語が、テンポのいいパス回しにメディアによって例えられたことが起源といわれる1つです。

ティキ・タカの特徴

ボールポゼッションが高くなりやすい

ティキタカは、自分たちでボールを保持しチャンスを作り出すことにプライオリティーがおかれるため、結果としてボールポゼッションが高くなることが多いです。

トライアングルを基本とし複数のパスコースが作られるため、密集しているエリアでもプレスも剥がしやすく、相手に奪いどころを作らせません。また、インターセプトをされる可能性があるのであれば、バックパスをして攻撃を作り直し、パウザを作るなど再度チャンスを伺うシーンも多く見られます。

ショートカウンターやハイプレスと相性がいい

ティキ・タカはショートパスを多用する戦術のため、ネガティブトランジションの際に、多くの選手がボール付近にいることが多いです。そのため、奪われた直後に攻守を切り替え、ゲーゲンプレスカウンタープレス)や相手の準備が整う前に複数人でボールを奪い返しにいくことが可能です。

そのため、前線から積極的にプレスにいくハイプレスや、ショートカウンターと相性がいいと言えます。

フィジカルなどに頼らない駆け引きができる

ティキタカは、ショートパスを多用する戦術であり、ロングボールによる空中戦などはあまりありません。高さやフィジカル面で劣っていたとしても、そういった分の悪い勝負をせずに攻撃することができます。

そのため、コーナーキックなどでもショートコーナーを多用するチームも存在します。

ロングカウンターに弱い

ティキタカは、ショートパスをつなぐために選手同士の距離感をコンパクトにするため、自ずとディフェンスラインが高くなります。そのため、最終ラインの裏に大きなスペースができてしまうため、ボールを奪われると共にそのスペースを狙われ、ロングカウンターを受けてしまう可能性があります。

そのため、5秒ルールなど、ボールを奪われても相手に自由を与えないディシプリンが組まれることが多いです。

ボールを繋ぐことが目的と見えてしまうことも

ティキタカは、ボールポゼッションを重視するものの「パス回しばかりになってしまい、結果的に得点が生まれない」ことはよくあります。「ゴール前にバスを置く」ような、あえて中盤ではパスを回させ、ディフェンシブサードバイタルエリアに人数を固めてカウンターを狙われるような対策をされることも多く、「攻めているが勝てない」印象を与えたことも多いです。

マラドーナ氏は「タッチラインにゴールがあれば、スペインは10-1で勝っている」というコメントを残したことがあります。

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